駐車場や空き地の仕上げを考えるとき、多くの方が「コンクリートは高いし、砂利は草が生えて大変」というところで悩まれます。
その中間を埋めてくれる材料として、当店が新たに取り扱いを始めたのが カタマ®SP です。先日、福岡市中央区のN様邸で初めて施工させていただきました。
実際に手を動かしてみて分かったことが多かったので、良いところも気をつけるところも含めて、正直に書いておきます。今後ご検討される方の判断材料になれば幸いです。
※カタマ®SPは日本製鉄株式会社の登録商標です。
カタマ®SPとは
ひと言でいうと、水をかけて転圧すると、時間をかけて自分で固まっていく舗装材です。

鉄をつくる過程で生まれる鉄鋼スラグを活用した材料で、水と反応してゆっくり固化していく性質を持っています。見た目は砕石(再生粒調)にとてもよく似ていますが、敷き均して散水・転圧したあと1〜2週間ほど養生すると、しっかりとした路面になります。
もともとは林道や農道、太陽光発電所の防草対策などで使われてきた材料で、住宅の駐車場や空き地の防草対策にも十分使えるものです。
いちばんの魅力は、やっぱりコスト
「コンクリートより安い」とはよく言われますが、実際に見積りを組んでみると、材料そのものの価格差以上に差がつきます。理由は掘削の深さと下地です。
コンクリートで駐車場をつくる場合
- 駐車場として使うにはコンクリート厚10cm以上が推奨
- その下に敷く砕石が5cm程度
- → 合計15cmの掘削が必要
カタマ®SPの場合
- 推奨厚は10cm。転圧後に締まる分を見込んで、掘削は12cm程度
- 下地の砕石が不要。土の上に直接施工できます
この差が地味に効いてきます。掘削が浅くなれば、その分の掘削手間も、出てくる残土の量も、そして残土の処分費も減ります。さらに砕石の材料費と敷き込みの手間がまるごと不要になる。ここが積み重なって、コンクリートやアスファルトと比べると圧倒的に安く仕上がるというのが実際のところです。
当店がこれまでおすすめしてきた「再生粒調」との比較
コストを抑えたい大きめの駐車場では、当店はこれまで 再生粒調(再生粒度調整砕石)の敷き均し仕上げ をおすすめしてきました。しっかり締まり、コストも安く、当店が得意とする整地技術が活きる仕上げだからです。
今回カタマ®SPを施工してみて感じたのは、硬さでは再生粒調を明確に上回るということ。それでいて、敷地条件などによって変わるとはいえ、金額としては同等クラスで施工できそうだという感触でした。
砂利のように飛び散る心配もほとんどなく、防草効果も高い。従来なら再生粒調をご提案していた現場に、新しい選択肢がひとつ増えたことになります。
施工してみて分かったこと
ここからは、カタマ®SPを扱う側から見た実際の話です。
色は、思っていたより白っぽい
搬入時や施工中はかなり黒っぽく見えます。「黒い駐車場になるのかな」と思っていたのですが、乾くと想像よりずっと白い。コンクリートとアスファルトのちょうど中間くらいの色味に落ち着きました。落ち着いた色で、住宅まわりにもよく馴染みます。 (※生産時の配合や骨材によって多少変わる可能性はあります)
散水にはかなりの水量が要る
転圧前の散水が肝になるのですが、必要な水分をきちんと含ませるには相当な水量が必要でした。狭い範囲なら問題ありませんが、広い敷地となると、水を入れるだけで相当な時間がかかります。大規模に施工する場合は、給水の段取りを事前に考えておく必要があると感じました。
とにかく重い
見た目は再生粒調そっくりなのに、均していると手や足に伝わる重みが明らかに違います。比重が重いぶん、ダンプに一度で積める量が限られ、少量ずつ何度も運搬しなければならないという弱点があります。
均し方で仕上がりの見た目が変わる
これが一番お伝えしたいところです。
均す際に骨材がダマになってしまうと、そこだけ質感が変わり、粉っぽい部分との差が斑(まだら)模様のように出てしまいます。強度に致命的な問題が出るわけではありませんが、見た目の印象はかなり変わります。
材料自体は「散水して転圧するだけ」というシンプルな工法ですが、きれいに仕上げられるかどうかは、ダマをつくらない意識を持って均せる職人かどうかにかかっている、というのが率直な感想です。完全にゼロにできるものではありませんが、意識ひとつで結果は変わります。
当店は日頃から整地技術に一番の熱量を注いできましたし、再生粒調の敷き均しで「骨材をダマにしない」意識を積み上げてきました。それが今回そのまま活きた形で、カタマ®SPの施工アドバイザーの方からも仕上がりを高く評価していただけました。
正直にお伝えしたい弱点
将来撤去する予定がある場所には向きません
最大の弱点はここです。カタマ®SPは、撤去・処分する際に産業廃棄物のガラ扱いとなり、通常の砕石や土の処分と比べて処分費が格段に高くなります。
「数年後にコンクリートに打ち替えるかもしれない」「いずれ建物を建てる予定がある」といった場所では、その時の処分費で、かえって高くついてしまう可能性があります。長く使う前提の場所に向いた材料だとお考えください。
仕上がりまでに時間がかかる
散水・転圧のあと、1〜2週間程度の養生期間が必要です。打ってすぐ使えるものではないので、工期には余裕を見ておく必要があります。
透水性は徐々に失われていく
施工直後に実験してみたところ、多少の透水性がありました。ただしこれは固化が進むにつれて徐々になくなっていくとのことです。「水がしみ込む舗装」を目的に選ぶ材料ではありません。
向いている場所・向いていない場所
向いている
- コストを抑えて広い駐車場を仕上げたい
- 空き地や通路の雑草対策を根本的に解決したい
- 砂利を敷いているが、飛び散る・沈む・草が出るのが悩み
- 長く同じ用途で使う予定がある
慎重に検討したい
- 将来的に撤去・打ち替えの可能性がある
- 湧水がある、水が溜まりやすいなど地盤条件に不安がある
- 意匠性を重視したい(洗い出しや化粧仕上げのような見た目にはなりません)
なお、固化が進むと植物の根が伸びられない硬さになるため防草効果は高く、年数が経つほど硬度が上がっていくとのことでした。時間が味方してくれる材料です。
新しい材料も、まず自分たちの手で試してみる
今回、初めての材料に挑戦できたのは、「ぜひやってみてください」と背中を押してくださったお施主様のおかげです。
外構の世界は毎年のように新しい材料や工法が出てきます。当店はカタログの情報だけでご提案するのではなく、実際に自分たちの手で施工して、良いところも扱いにくいところも掴んだうえでご提案したいと考えています。今回のように、実際にやってみて初めて分かることは本当に多いです。
長所と短所を理解して使えば、カタマ®SPはとても良い材料です。もちろん、すべての現場に合うわけではありません。その場所と使い方に合った仕上げを一緒に考えさせてください。
駐車場の仕上げや雑草対策でお悩みの方、「うちの場合はどうだろう?」という段階でも構いません。現地調査・お見積りは無料です。お気軽にご相談ください。
